水際喫茶室|お魚・エビに一喜一憂

レッドチェリー

マイナス30度の戦い

 学生時代、管理人はふとしたことで、砂干潟の表面の砂に含まれる有機物の量を計ることになりました。ついでにその有機物量に「季節変化があるのかどうか」も見てみようということで、毎回大潮毎(約2週間置き)の野外調査の折に、調査場所ごとに、干潟の表面の砂もスプーンですくってビニールに入れ、クーラーボックス等で、出来る限り冷やして研究室に持ち帰りました。
常温に置いておくと、砂の中のバクテリアが、有機物を食べてしまうので、本来含まれていたはずの量が計れなくなってしまうからです。
持ち帰った砂は、即そのまま学部の冷凍室行き。
測定する順番が来るまでダンボール箱に袋ごと詰めて、マイナス30度で保管していました。 (他にもいろいろ作業していたので、持ち帰って即測定・・・とは、いかなかったのです)
日々、1度に前処理できる分ずつサンプルを取りに冷凍室に行ってたのですが、この冷凍室、多分4畳半〜5畳くらいの広さで壁側には棚があり、研究室ごとに物を置ける場所が割り当てられていました。
当時私がいた研究室の、冷凍庫での割り当て場所は、入り口のドアを開けて、対角線上の一番奥。
当然空気もマイナス30度ですから、40秒くらい室内にいると、指とかなんとか痛くなって凍えてきます。(私更に冷え性だし・・・笑)
おまけに、ドアを開けっ放しにしておくと、中の温度もどんどん上がってアラームも鳴るので、冷凍室内の作業は当然時間との戦いでした。
私も、毎回ドアを開けると、部屋の一番奥めがけてダッシュし、サンプルの箱を抱えて、猛ダッシュで入り口に戻ってました。
空気が冷たいので、息も止めてたくらいです(笑)

 しかしある時、いつのもごとく砂のサンプルを取りに、冷凍室に向かった私が見たものは・・・

冷凍室

*)スナメリ:小型のイルカの仲間です。

大量のトロ箱とスナメリと、なんかわからないズタ袋が行く手を阻んでいて、サンプルの箱に手が届かないではありませんかっ!!
多分、漁業系コースの航海実習で、漁獲物が大量だったのでしょう。
スナメリも、漁港に上がったのを、貴重なサンプルとして貰ってきたのかもしれません。
しかしっ!そのトロ箱とスナメリのおかげで、どうしてもサンプルの箱に指がかすりもしないのです。
右から回って隙間から手を入れてもだめ。
一度入り口に戻って体をあたため、今度は左から回ってスナメリの手前から手を伸ばしてもやっぱりだめ。
トロ箱を動かしてみようかと試してみましたが、非力なもんで、1段も動かせません。
そうしてるうちに、当然、体中、凍えてきます。
冷凍庫の温度も上がります。
今測定しなければ、処理待ちのサンプルは溜まる一方です。ぴーんち!

 ・・・ごめんなさい、結局スナメリ踏んづけてサンプル取りました。
カッチカチに凍ってて、全然へっちゃらでした。恐るべし、マイナス30度。
その後、その年のある学生実験で、スナメリの解剖があったと聞きました。
多分、私が踏んづけたやつだと思います(^^A

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2004年9月公開

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